ましねおじさんのいろいろ

マシーネンクリーガーを応援しているおじさんの日常。

 

天童荒太著:『永遠の仔』 

世間では子供が犠牲者の事件ニュースが相次いでいる。
ニュースにならない子供の「犠牲者」はいったいどのくらいいるのだろう。


天童 荒太著 : 『永遠の仔(1)~(5)』 幻冬舎文庫

永遠の仔1永遠の仔2永遠の仔3永遠の仔4永遠の仔5




 「幼い頃の秘密を抱えた3人の若者が再会し、悲劇が……
  と書くと凡百のサスペンスのようだが、
  張りつめた文体と複雑に入り組むプロットが
  ただならぬ雰囲気を醸し出すこの物語に一部でも接した読者なら、
  「永遠の仔」が特別な小説であることに気づくはずだ。
  読み進むにつれて高みから眺める余裕や謎解きの興味は失せ、
  3人が受ける苦痛が我が身のことのように感じられてくる。
  救いのない苦しい世界なのに、
  ずっと3人と時間を共有していたいと感じる。
  トラウマとか、幼児虐待とか、
  分かりやすい言葉では片づけられない心の闇を、
  作家が掘り起こしたからなのだろう。(藤谷浩二)」

    『ことし読む本いち押しガイド2000』
    Copyrightc メタローグ. All rights reserved.



この小説を前にして、あまり言葉が浮かばない。
内容について何を言っても、偽善のような気がする。
それだけ、この物語は私には神聖なものに思える。


この本を読み進むことは苦しい。つらい。
ただ、読者以上に著者が主人公と伴に苦しみながら
この物語を作り出したことが痛い程感じ取れる。
それ故に、読者は主人公達と苦しみを共有し
伴に救いを求めて心の中であえぎ続けるのである。

著者は現実主義者である。
決してあからさまなハッピーエンドは待っていない。
ただ、いつものようにほんの少しの明かりを用意してくれる。
それは著者の人間的な暖かさなのだと思う。

「世の中は厳しいけど、決して無意味ではないんだ。
 絶望する前に、苦しんでみようよ。
 あなたの人生にもきっと明るいところが待っているはず。」

そんな、社会を人生を人を根底では信じている著者に
私は共感するし、感銘を受ける。




現代の子供達のおかれた現実は厳しい。
それは、取りも直さず
我々親世代の「人生を信じている」感覚の鈍さの反映なのだろう。


子供達に「愛国心を!」「道徳教育を!」
違う。
親世代=大人達のモラルが先だと思う。


「人を信じ社会に尽くす。」

ネット社会で個人情報に躍起になり
某新興企業に象徴されるように社会より自分中心主義が流行り、
オタクが文化と認知されインモラルすれすれのものが賞賛される昨今、
そんな言葉は過去のものとして捨て去って良いのだろうか?



この前の日曜日「さんまのからくりテレビ」に
とってもすてきな将棋少年が出ていた。
(TVだからやらせもあるのだろうが)
彼は母の妊娠を機にお母さんの安産祈願のお守りを求めた。
「お母さん、妊娠おめでとう」
暖かい話である。お母さんと伴に大いに泣いた。


きっとまだ間に合う。
我々の血に流れる日本の道徳観はそう簡単に崩れないと信じたい。

そのためにも、一人でも多くの人に手にとって欲しい本である。

 (・・)/
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コメント

苦し

苦しい感覚と、苦しみなどを祈願したはずだったの。


URL | BlogPetの謎の娘3号 #-

2006/06/01 15:24 * edit *

こんばんは。謎の娘3号さん。

あんまり一般的には「苦しみを祈願」はしないと思うんですけど。。。
3号さんてMだったりするんですか?? 色付きの文字(^^)

URL | ましねおじさん #-

2006/06/01 20:20 * edit *

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