ましねおじさんのいろいろ

マシーネンクリーガーを応援しているおじさんの日常。

 

垣根涼介:『ワイルド・ソウル』 

ドミニカ共和国への移民訴訟東京地裁判決が今日あった。


「金井康雄裁判長は移民を国の政策と認め
 『外務省と農林省(当時)は調査や説明などを尽くす義務を怠った』
 と国の賠償責任を認定したが、
 賠償請求権は除斥期間(権利の法定存続期間、20年)の
 経過で消滅したとして請求を棄却した。」 (共同通信)





垣根 涼介著  『ワイルド・ソウル 上・下』  幻冬舎文庫

 ワイルドソウル上 ワイルドソウル下








 「一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。
  しかし、彼らがその大地に降り立った時、
  夢にまで見た楽園はどこにもなかった。
  戦後最大級の愚政“棄民政策”。
  その四十数年後、三人の男が東京にいた。
  衛藤の息子ケイ、松尾、山本―
  彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、
  歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。」

     (「BOOK」データベースより)


1961年。まずこの数字に驚かされる。
私が生まれるほんの数年前。高度成長の幕開け時期。
日本はなんと言うことをしたのか!!

戦後の移民政策については何も知らなかったが、
こんな事が、戦後日本民主主義において行われていたとは、
私にとって驚きの事実である!
4万人もの日本人を不毛のジャングルに送り込んだとは!

もちろん「小説」である。多少のフィクションも含まれるであろう。
ドミニカの場合はさらにその後の国家貸付問題もあるようである。
国や時期によって多少状況は異なるようであるが、
「棄民政策」の事実は消せない。




舞台装置は移民政策だが、物語自体はエンターテイメント。
前半は主人公達と伴に「恨み」を増幅させ、
後半は主人公達と伴に「頭脳的復讐」を楽しめる。
あっという間に読み進むことの出来る痛快読み物。
著者の筆力には感服する。

ただ、個人的には当時のブラジルの状況について
もっとページを費やして欲しかった。
これについては、そのうち他の関連書籍を読んでみたい。



ドミニカ訴訟の原告獄釜徹さんの言葉が心に染みる。

 「消えたのは政府の良心と罪の意識だけ。
  入植以来、移住者が受けた苦しみや心の傷には
  時効はない。」


まずは良質のエンターテイメントとして
多くの人に手にとってもらいたい小説である。
 (^^)
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コメント

ブラジル移民については
「日本は降伏していない」―ブラジル日系人社会を揺るがせた十年抗争
が詳しいです。

URL | ま・しねら #FFeI7iKU

2006/06/08 05:43 * edit *

おはようございます。社長!

さっすが、社長!
いろんな事知ってるんですね!(O_O)

今度関連図書を読む気になったら参考にさせて頂きます。m(__)m

URL | ましねおじさん #-

2006/06/10 07:05 * edit *

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