ましねおじさんのいろいろ

マシーネンクリーガーを応援しているおじさんの日常。

 

天童荒太著:『あふれた愛』 

『愛とは無償の奉仕の連続である。』私の愛読書にはこうある。
愛するが故に、期待、見返りをいつの間にか求めてしまう人間の弱さ。
その弱さに付け込むように、微妙なすれ違いが重なる。
このすれ違いを放っておくと、やがて軋轢や断裂に連らなる。
私の周囲にもそんな「危険」があふれているような気がする。

天童荒太著:『あふれた愛』集英社文庫
あふれた愛

『(前略)純粋であるがゆえにさまざまな苦しみを抱え、
 居場所を見失って、うまく生きていくことができない-
 そんな人々の魂に訪れる淡い希望を、やさしくつつみこむように描く
 四つの物語。天童荒太の本質がつまった珠玉の作品集』
  (文庫本カバー紹介文より)

四つの短編どれもが秀作であるが、
中でも私は「やすらぎの香り」が好きである。
精神疾患を抱えた男女が互いに支え合い、
『もし1年間二人で暮らすことが出来たら結婚しよう』と決意する。
二人は日めくりカレンダーをあと何日と数えながら懸命に生きる。
あとほんの少しというところで訪れる危機。二人の行く末は。


私は天童荒太を尊敬する。
この人の著作には、本当に苦しんでいる人々が登場する。
そして、著者が、主人公と伴に一緒に苦しみながら、
物語を紡ぎ出していることが読者に伝わる。
その真摯な著作姿勢にまず心打たれる。

そして、主人公達がどれも魅力的である。
どちらかというと社会的な「弱者」たち。
そして、読み進むにつれて、
自分も「弱者」であることに気が付かせてくれる。

さらに、天童荒太は心が優しい。
「弱者」を決して見捨てはしない。
蛍光灯ほどは明るくは無い。例えれば豆電球なのであろうか。
そんな、ほんのかすかな希望を主人公=読者に与えてくれる。
弱者への救いの手である。

『不器用でもいいよ。一生懸命やってみようよ。きっと何か見えるはず。。。』


最近「恵まれていないな」と思いがちな方にお勧めの一冊である。
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